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執筆者の写真梅田夏希

謎の所得制限。千代田区の次世代育成住宅助成金について


こんにちは、梅田夏希です。


今回は、千代田区内の親子連れが広い家に引っ越すと貰える『次世代育成住宅助成』について私見を語ります。一見大変良い制度なんですが、独特の所得制限を儲けており、とんでもない選民思想の上に成り立っている可能性が捨て切れない制度です。功罪両面を紹介します。




どんな制度?

 

簡単に言うと、千代田区内の狭い家に1年以上住んでいる親子連れ、もしくは申請者の親世代(子供から見た祖父母)が千代田区内に5年以上住んでいる親子連れを対象として、広い家に引っ越した時に、家賃や住宅ローンを補助します!という制度です。千代田区の住宅はとにかく高いか狭いかのどちらかなので、これを解消できるのは大変嬉しいことです。

助成金額は条件により異なるものの、最大で月8万円が毎月貰えます。2年目から支給額が下がるものの8年間受給するとなんと総額499万2000円の助成金が貰えます。千代田区は元の家賃が高いとはいえ、これだけ貰えれば随分大きな足しになります。



謎の所得制限

 

さて、何かと叩かれがちな所得制限のお話です。この制度を利用するためには、世帯の年間所得の合計が、189万6千円〜約1000万円(962万8千円+38万円×世帯人数)の範囲内である必要があります。

助成金に所得制限をかけること自体に私は反対ですが、この制度に至っては、上限だけでなく、なんと下限にも制限があります。お金持ちだけでなく、貧乏人もこの助成金を貰うことは出来ません。中間所得層〜やや高収入層だけがお金を貰うことができるのが、千代田区の次世代育成住宅助成です。

個人的には、低所得層にこそ助成金を8年間受給してもらって、その間に稼ぐ力と千代田への愛着とを存分に養ってもらいたいと思います。家賃だけが原因で転出するとは考えにくいやや高所得層まで助成金の支給対象としつつ、貧乏人は即座に千代田区から出て行けと言わんばかりのこの下限設定には違和感しかありません。




その他の制約

 

この制度を利用すると、転居後の住所地で町会に加入する義務が生じます。



選民思想??

 

区に聞いても絶対に明言はしないと思いますが、この制度の裏には次のような思想が見え隠れします。


・親世代が5年以上住んでる土着民の出戻りは大歓迎。でも新参者はお呼びでない!

・中間所得層は大歓迎。でも貧乏人は千代田区から出ていけ!

・町会を地元コミュニティの核としろ。それ以外の付き合いは地域貢献ではない!

・面積の広い家を選択して優遇する。狭い家には住むな!建てるな!


いずれも行政の本音としては分からなくもないですが、こうした特定の思想を助成金制度に組み込むのは、私は不適当だと思います。差別的ですらあると感じます。



じゃあどうすればいい?

 

対案を示します。まず、何よりも優先すべきは①所得制限の撤廃でしょう。下限はもちろん、上限もいりません。②町会加入要件も廃止し、町会の活発化は他の施策で対応するべきでしょう。何らかの理由で加入できない人を、この制度から排除する必要はありません。③親世代が近接している場合の優遇要件も廃止か、残すとしても5年居住要件は廃止し、区外からの三世代同時転入も歓迎してはどうでしょうか。

これらを実現すると申請数が増えると予想されますので、その分は④支給額の減額もやむを得ないと思います。個人に対する499万2000円もの給付は、現金給付としてかなり高額な部類に入ると思います。くじ引きに当たったかのように、たまたま特定の要件に合致した区民だけに選択的に配布する金額としては、少々やりすぎではないでしょうか。同じ原資ならより公平に、薄く広く分配する方が、より多くの区民の生活を助け、より定住区民を増やせると思います。



そもそも助成金はどうあるべき?

 

どんな種類の助成金でも多かれ少なかれ、お金を貰える人は嬉しいに決まっています。じゃあ助成金を配りまくれば国民はみんな幸せになるんでしょうか?そうではありません。貰えるお金には必ずどこかに原資があります。あなたが貰ったお金は、誰かが払ったお金であり、貰った分だけ払った誰かがいます。制度設計においては、このことを想像しなければなりません。


1.払う人の悲しみと、貰う人の喜びを比較して、払う人の悲しみの方が大きければNG、貰う人の喜びの方が大きければOKとすべきでしょう。(これは異論はあると思います)

2.税金などを取る際には、同じ総額を集める方法のうち、払う人の悲しみが最小限になる方法を選択すべきでしょう。(これは異論はないと思います)

3.助成金を配る際にも、同じ予算から配るのであれば、貰う人の喜びが最大限になるように配分すべきでしょう。(これも異論はないと思います) 次世代育成住宅助成は、このうちの3を満たしていません。


次世代育成住宅助成は、町会と、広い住宅を所有する不動産業者に対しては大変な利益をもたらす制度だと思います。しかし、狭い住宅しか所有しない大家さん、条件に合致せず泣きを見る区民、特に低所得者にとっては理不尽な制度です。

梅田なつきはこの制度の根本的な改正、特に所得制限の撤廃を区に対して求めていこうと思っています。



梅田なつきに相談してください!

 

さて、千代田区で活動しております梅田なつき後援会では、区民の皆様の日常生活のお困りごとや疑問などのご相談に応じております。

今回紹介したような理不尽な制度についての体験談、情報や、政策提案も随時募集しています。

制度の隙間で泣きを見た当事者からのご連絡や、そもそもどんな制度があるのか調べたいといったご相談や情報交換にも応じます。

あなたのお悩みは、あなただけの問題ではないかもしれません。一見区政と関係のない悩みも、意外と区の制度で解決できるかもしれません。

区外の方からのご相談や、区外の話題でも構いません。

ご相談の一つ一つが梅田なつきの政策に繋がりますので、まずはお気軽にご連絡ください。


梅田なつき

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